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ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)はエンジニアリング樹脂に分類されます。エンジニアリング樹脂は厳しい条件のラボアプリケーションにおいて優れた強度および耐性があります。使用目的によっては、ポリオレフィンよりも優れています。
PETG は他の多くのエンジニアリング樹脂の中でも、ガラス様の透明性、耐久性および極めて優れたガスバリア性を有することから、生体材料の保存のためには特に優れた選択肢となっています。
PETG が、細胞培養アプリケーション用のホウケイ酸ガラス(タイプ 1)製のボトルと比較して、生物学的効果が同等またはより優れていることが試験により示されています。幅広い種類の細胞株を使用した試験において、PETG が細胞無毒性であることが明らかにされており、PETG ボトル内に保存された培地はコントロール培地と同等の増殖性および形態特性を示しました。つまり実際に、PETG ボトルの表面上に直接播種した結果、細胞が生長・増殖することができました。
PETG は、放射線照射または適合性のある化学薬品により滅菌することが可能ですが、オートクレーブはできません。化学薬品耐性はポリオレフィンより劣りますが、化学薬品耐性の評定は「可」です。
PETG は、強度、透明度および低コストで品質高く製造できるため、細胞培養および培地保存のアプリケーション向きの滅菌済、シングルユース容器の製造に使用されています。
温度 | 物性 | 透過性 | 滅菌[4] | 規制 |
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HDT[1]:60 ℃ ~ 71 ℃ 最高使用温度[2]:70 ℃ 脆弱性[12]: –40 ℃ | 紫外線:耐性有 中程度の柔軟性 透明 マイクロ波[13]:ほぼ可[3]: 比重:1.27
| cc.-mil/ 100in2-24hr.-atm cc.-mm/ m2-24 hr.-Bar | オートクレーブ:不可 EtO:可 乾式加熱:不可 照射:可 消毒剤:種類により使用可能
| 細胞無毒性[6]:可 食品および飲料使用適合性[7] :可[14] 21 CFR:177.1315 |
下表には、20 °C における一般的な使用曝露評定が記載されています。化学的侵襲および損傷に対するプラスチック素材の耐性は、温度、化学物質への曝露時間および遠心分離などのさまざまなストレスにも影響されます。Nalgene 製品のさらに詳しい化学耐性評定に関しては、本ページの最後に記載されているリソースを参照してください。
クラス | 一般評定 |
酸 (希酸または弱酸) | G |
酸*(強酸、濃酸) | N |
アルコール(脂肪族) | G |
アルデヒド | G |
塩基/アルカリ | N |
エステル | F |
炭化水素(脂肪族) | G |
炭化水素(芳香族) | N |
炭化水素(ハロゲン化物) | N |
ケトン(芳香族) | N |
酸化剤(強) | F |
*酸化性酸以外;酸化性酸に関しては、「酸化剤、強酸化剤」を参照してください。
E | 30 日間の継続的な曝露において損傷を認められません。プラスチックは長年にわたる使用に耐性を示す場合もあります。 |
G | 試薬への 30 日間の継続的な曝露においてほとんどまたは、まったく損傷を認められません。 |
F | 試薬への 7 日間の継続的な曝露後にある程度の影響が生じます。プラスチックにより、ひび割れ、亀裂、強度低下または変色を生じる可能性があります。 |
N | 継続的な使用は推奨されません。深いひび割れ、亀裂、強度低下、変色、変形、溶解または透過性損失を含む瞬間的に損傷が生じる可能性があります。 |
脚注:
[1].加熱たわみ温度は 66 psig(ASTM D648)の圧力下に置いた時に射出成形バーが 0.1” たわむ温度です。ノンストレスアプリケーションでは材質を加熱たわみ温度以上で使用することも可能です。使用最高温度を参照してください。
[2].最高使用温度°C:この温度は、継続的使用最高温度、延化/脆化温度およびガラス転移温度に関係し、強度の損失がほとんどまたは、まったく発生しない状態で数分間から 2 時間、ポリマーを曝露することが可能な最高温度を表します。
[3].プラスチックがかなりの量の熱を吸収および保持するため、表面が予想外に熱くなる場合があります。
[4].滅菌:オートクレーブ(121 °C、15 psig で 20 分間)—オートクレーブ前に製品を洗浄して蒸留水ですすぎます。(オートクレーブ前に常にはキャップを十分緩めてください。)室温ではプラスチックに対して特に影響のない化学薬品であっても、オートクレーブ時の温度で劣化の原因となる場合があるため、事前に蒸留水によってこのような化学薬品の付着がないように洗浄してください。
気体 EtO —エチレンオキシド:100% EtO、EtO:窒素混合物、EtO:HCFC 混合物
乾熱—ポリマー部分にストレスまたは負荷がかからない状態で 160 °C に 120 分間曝露
消毒剤—塩化ベンザルコニウム、ホルマリン/ホルムアルデヒド、過酸化水素、エタノール、など
照射—ガンマ線またはベータ線による 25 kGy(2.5 MRad)での非安定化プラスチックの照射
[6]。「可」は、WI38 ヒト二倍体肺細胞株に MEM 溶出法を使用するUSPおよび ASTM 生体適合性試験スタンダードに基づいて、細胞無毒性であると同定された樹脂を示します。
[7].樹脂は、FDA、連邦食品・医薬品法の食品添加物改正法のセクション CFR21 の要件を満たしています。使用者は特定のアプリケーションにおいて使用される特定の容器に関して適合性検証を行う責任を負います。
[12].脆化温度とは、その樹脂製の製品が落下した際に壊れる、または亀裂が生じる温度です。十分に注意して使用/取り扱いするかぎり、脆化温度は最低使用可能温度ではありません。
[13].空のラボウェアを 600 ワットで 5 分間照射する条件における評定。注意:使用最高温度を超える温度では使用しないでください。また、加熱によりプラスチックを損傷させるまたはプラスチックに急激に吸収される化学薬品にラボウェアを曝露させないでください。
[14].以下のものに使用可能です:
アルコール含有量が15%(容量)を超えないアルコール性食品; 49 °C(120 °F)を超えない充填および保存温度
非アルコール性食品の 82 °C(180 °F)を超えない高温充填および 49 °C(120 °F)を超えない保存
炭酸飲料、ビール、熱加工を必要とする包装食品には適しません
お客様のアプリケーションに最適な製品の選択に関しては、Nalgene テクニカルサポートチーム(+1-585-586-8800 または米国トールフリー番号 1-800-625-4327)までお電話いただくか、または電子メール で echnicalsupport@thermofisher.com までお問い合わせください。
オーストラリア、フランス、ドイツ、アイルランド、スイスおよび英国からは、テクニカルサポート(+800-1234-9696(トールフリー)または +49-6184-90-6321)までお電話いただくか、または電子メールで techsupport.labproducts.eu@thermofisher.com までお問い合わせください。
規制サポート:製品の規制文書または材質表示に関しては、Nalgene 規制サポート 宛に RocRegSupport@thermofisher.com までご連絡ください。
化合物、温度および曝露時間による化学適合性評定に関しては、Nalgene General Labware Chemical Compatibility Guide を参照ください。
遠心分離容器の化学適合性評定に関しては、Centrifuge Ware Chemical Resistance 表のみを使用してください。