質量分析（MS）の応用分野例

質量分析の応用

質量分析には、イオン化、分離（フィルタリング）、検出、分析という 4 つの基本的な機能があります。これらの機能は、イオン源、質量分析部、検出器、ソフトウエアというコンポーネントと連携します。LCまたはGCといったクロマトグラフィーと組み合わせることで、MS による対象検体の同定と定量の可能性は飛躍的に高まります。

以下は、質量分析を用いたサンプル中からの化合物の探索、推定、定量する応用分野の一例です。

プロテオミクスにおける質量分析の応用 - タンパク質やタンパク質複合体の特性評価、ペプチドの配列決定、翻訳後修飾の特定など。

メタボロミクスにおける質量分析の応用 - がん検診および診断、包括的メタボリックフィンガープリンティング、バイオマーカー探索およびプロファイリング、バイオ燃料の生成と使用、リピドミクス研究、代謝異常プロファイリングなど。

環境分析における質量分析の応用 - 飲料水試験、農薬スクリーニングおよび定量、土壌汚染評価、二酸化炭素および汚染モニタリング、重金属溶出の微量元素分析など。

医薬品分析における質量分析の応用 - 創薬および吸収、分布、代謝、排泄（ADME）研究、薬物動態および薬力学分析、代謝物スクリーニング、前臨床開発など。

法医学分析における質量分析の応用 - 微量物証（カーペットの繊維、塗料のポリマーなど）の分析、放火調査（燃焼促進剤など）、薬物乱用の確認、爆発物残留物の特定（爆発物調査）など。

質量分析の臨床での応用 - 臨床薬開発、フェーズ 0 試験、臨床試験、疾病スクリーニング、薬物治療モニタリング、診断試験に使用されるペプチドの分析、標的療法のための感染性因子の特定など。

質量分析の応用分野の紹介

e-learning

Metabolomics Technologies to Study Biochemical Mechanisms of Disease

加齢、毒物学、疾病研究におけるノンターゲットメタボロミクスおよび全メタボローム関連研究において、高分解能質量分析がどのように適用されるかについて学びます。

e-learning

Using MS for biomarker discovery and analysis

大規模非標的メタボリックプロファイリングプロジェクト（HUSERMET）を通じて、UHPLC-MS を健康体と疾病体の数千のヒト代謝物の研究に使用する方法を学びます。

アプリケーションノートブック

環境分析用の質量分析アプリケーション

異なる MS 技術を使って環境における表層、土壌、大気、水汚染をどのようにスクリーニングし、定量するか解説します。

アプリケーションノートブック

Orbitrap quantitation: lab of the future

Orbitrap 定量：ラボの未来

HRAM Orbitrap 技術により、食品安全性検査、臨床研究、法医毒物学、Omics アプリケーションなどの検体をどのように確実にコストを抑えて同定および定量できるか明らかにします。

応用分野

メタボロミクス質量分析

質量分析を各種クロマトグラフィー技術（GC、IC、LC など）と組み合わせることで、単一のサンプルと分析で数百の化合物をルーティーン分析できるため、メタボロミクスとリピドミクスにおける非常に強力なハイスループットプロセスになります。高分解能・高精度質量（HRAM）MS システムの発展と、強化された代謝物データベース／ライブラリにより、高い感度と選択性で代謝物を評価できます。その詳細をご覧ください。

環境検査

大気、水、土壌における環境有害物質を質量分析計でルーティーン分析します。この技術を使用することで、微量汚染物質をかつてない分解能と精度で検出できます。さらに、MS 技術は、US EPA や EU 司令の厳しい要求を満たします。MS をGC、LC、IC 分離手法と組み合わせることで、環境試験や分析をさらに改善できます。