インタクトな非還元型抗体の特性評価

複雑なタンパク質およびタンパク質相互作用に対して、構造に関わる洞察を深めます

抗体薬物複合体(ADC)などの最新の治療用タンパク質が有する複雑さは分析上の大きな課題であり、高分解能クロマトグラフィーと高分解能質量分析を組み合わせて取り組む必要があります。システイン抱合を含むADCの特性評価では、適切なインタクト分析は構造的に重要な抗体鎖間の非共有結合を保持するために、ネイティブ条件で質量分析を行う必要があるという、特有の課題があります。ネイティブ条件下のインタクトタンパク質の質量分析は、現在ではThermo Scientific Orbitrap Exploris BioPharmaシリーズの質量分析計と、質量分析に適合したバッファーを用いたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)またはイオン交換クロマトグラフィー(IEC)とを組み合わせて、ルーチン分析として実施できます。

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インタクトタンパク質のネイティブ質量分析のワークフロー


ネイティブインタクト質量分析用の関連クロマトグラフィーソリューション

非変性条件下における優れた分離

モノマーや凝集体などのモノクローナル抗体(mAb)分析における高分解能分離には、Thermo Scientific MAbPac SEC-1サイズ排除カラムをお使いください。これらのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)カラムは、非変性条件、高/低塩濃度の移動相、揮発性溶離液を用いた場合に、優れた性能を発揮します。

バイオ医薬品向けに設計されたクロマトグラフィー

必須医薬品で求められる特有の厳格な分析要件を満たしてきたUHPLCシステムの革新的な構造をご活用ください。Thermo Scientific Vanquish Flex BinaryおよびQuaternaryシステムは、バイオ医薬品に対応できる厳格な工学基準に従って設計、製造されています


ネイティブインタクト質量分析用のOrbitrap質量分析計

 Orbitrap Exploris 480質量分析計Orbitrap Eclipse Tribrid質量分析計Q Exactive UHMROrbitrap
Exploris 240 MS
 Orbitrap Exploris 480 Mass SpectrometerOrbitrap Eclipse Tribrid Mass SpectrometerOrbitrap Fusion Lumos Tribrid Mass SpectrometerOrbitrap Exploris 240
利点卓越した簡便性とコンパクトなフットプリントを兼ね備え、パフォーマンスとインテリジェンスを両立させることで、ネイティブ質量分析において、高レベルの分析により豊富な知見が得られます。最高レベルの柔軟性をもたらす新しいイノベーションにより試験スコープを拡大するとともに、ネイティブ質量分析条件下でのインタクトタンパク質分析におけるデータ品質と信頼性を最大化し、新たな発見を押し進めます。卓越したツールで高分解能精密質量で超高質量範囲の分析を実施することにより、不可能と思われていたネイティブタンパク質の3次および4次構造といった高次構造を調査することが可能となります。タンパク質分析用に最適化された個別の操作モードが、完全なバイオ医薬品の特性評価を実現します。抗体薬物複合体やその他の異種抗体サンプルのネイティブ質量分析用BioPharmaオプションに対応する、最大m/z 8,000の拡張質量範囲を利用できます。
リソース
分解能m/z 195で480,000m/z 200で7,500~500,000 FWHM(1Mオプション)m/z 400で200,000 FWHMm/z 200で最大240,000 FWHM
スキャン速度最大40 Hz最大40 Hz12,500(@ m/z 400)の分解能で12 Hz15,000(@ m/z 200)の分解能で最大22 Hz
質量範囲40~6,000 m/z(BioPharmaオプションで最大8,000)50~6,000(HMRnで最大8,000)350~80,00040~6000 m/z (BioPharmaオプションで最大8,000)
ダイナミックレンジOrbitrapで検出した単一マススペクトル内で>5,000>Orbitrapで検出した単一マススペクトル内で>5,000>Orbitrapで検出した単一マススペクトル内で>5,000Orbitrapで検出した単一のマススペクトル内で>5,000
質量精度:内標準法:<1 ppm RMS、外標準法:<3 ppm RMS内標準法:<1 ppm RMS、外標準法:<3 ppm RMS内標準法:<1 ppm RMS、外標準法:<3 ppm RMS内標準法:<1 ppm RMS、外標準法:<3 ppm RMS

Boost selectivity and enhance your proteomics workflow with FAIMS Pro Interface

高電界非対称波形イオンモビリティスぺクトロメトリー(High-Field Asymmetric waveform Ion Mobility Spectrometry:FAIMS)を使用して、質量分析アッセイのイオン選択性を最適化し、ケミカルバックグランドノイズを低減できます。FAIMSは共溶出化合物からの干渉を効果的に防止し、SN比を100倍以上向上させます。

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ネイティブ質量分析用の関連ソフトウエア

強力なタンパク質デコンボリューションアルゴリズム

BioPharma Finder統合ソフトウエアを用いると、信頼性の高いタンパク質デコンボリューションを行うことが可能で、変性およびネイティブのいずれの状態にあるタンパク質でも分子量を特定できます。タンパク質配列マッチングでは、インタクト質量分析によりN-結合型グリコシル化やその他の一般的な翻訳後修飾(PTM)を同定できるため、バイオ医薬品の不均質性を完全に理解することができます。



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ケーススタディ

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