Lipofectamine®シリーズに新たにmRNA導入用試薬が加わりました

神経細胞および初代細胞において、一般的なDNAの導入試薬に比べて、トランスフェクション効率を大幅に改善することが期待できる新しいmRNA導入用試薬をご紹介します。

  • 神経細胞および初代細胞における驚異的なトランスフェクション効率を実現
  • ゲノム組み込みのリスクがなく迅速にタンパク質を発現
  • mRNA CRISPRによるゲノム切断効率が数倍向上

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研究者のコメント

mRNA 転写産物の産生には下記の転写キットをお薦めします:

トランスフェクション効率を正しく確認・評価するため、各社から販売されているポジティブコントロールmRNAを併用して使用することをお薦めします。   


神経細胞および初代細胞における驚異的なトランスフェクション効率を実現

Lipofectamine® MessengerMAX™ mRNA Transfection Reagentは、神経細胞や幅広い種類の初代細胞において非常に優れたトランスフェクション効率を示します。そのため、アプリケーションの結果を改善し、より生物学的な意味を持つ細胞実験を行うことができます。これらの導入困難な細胞における導入効率の改善は、mRNA導入効率を最大限に高めるように最適化された弊社が持つ最新の脂質ナノ粒子テクノロジーと、DNA導入で必要となるDNAの核への取り込みステップを省くことにより実現しています。

図1. Lipofectamine® MessengerMAX™ は、初代細胞(新鮮分離したマウス皮質神経細胞、BJ線維芽細胞、および初代ケラチノサイト)において、主要なDNA導入試薬やこれまでの他社mRNA導入試薬に比べてより優れた導入効率を実現。
新しいLipofectamine® MessengerMAX™ および従来の他社mRNA導入試薬を用いて、24-ウェルフォーマットで、1ウェルあたり500 ng のGFP mRNA を各細胞に導入しました。 また、主要なDNA 導入試薬を用いて、1ウェルあたり500 ng のGFP DNA を各細胞に導入し、トランスフェクションから24時間後にGFP発現を観察しました。

図2. Lipofectamine® MessengerMAX™ は、様々な幹細胞(Gibco® iPSC、H9 ESC、mESC、hNSC)において、主要なDNA導入試薬や他社mRNA導入試薬に比べてより優れた導入効率を実現。
 
新しいLipofectamine® MessengerMAX™ および従来の他社mRNA導入試薬を用いて、48-ウェルフォーマットで、1ウェルあたり250 ng のGFP mRNA を各細胞株に導入しました。 また、主要なDNA 導入試薬を用いて、1ウェルあたり250 ng のGFP DNA を各細胞に導入し、トランスフェクションから24時間後にGFP発現を観察しました.

図3. Lipofectamine® MessengerMAX™ は、導入が非常に困難な様々な細胞株(bEnd.3、SH-SY5Y、SK-N-SH、A431、RAW 264.7およびHT29)において、主要なDNA導入試薬や他社mRNA導入試薬に比べてより優れた導入効率を実現。
新しいLipofectamine® MessengerMAX™ および従来の他社mRNA導入試薬を用いて、24-ウェルフォーマットで、1ウェルあたり500 ng のGFP mRNA を各細胞株に導入しました。 また、主要なDNA 導入試薬を用いて、1ウェルあたり500 ng のGFP DNA を各細胞株に導入し、トランスフェクションから24時間後にGFP発現を観察しました。

図1. Lipofectamine® MessengerMAX™ は、初代細胞(新鮮分離したマウス皮質神経細胞、BJ線維芽細胞、および初代ケラチノサイト)において、主要なDNA導入試薬やこれまでの他社mRNA導入試薬に比べてより優れた導入効率を実現。
新しいLipofectamine® MessengerMAX™ および従来の他社mRNA導入試薬を用いて、24-ウェルフォーマットで、1ウェルあたり500 ng のGFP mRNA を各細胞に導入しました。 また、主要なDNA 導入試薬を用いて、1ウェルあたり500 ng のGFP DNA を各細胞に導入し、トランスフェクションから24時間後にGFP発現を観察しました。

図2. Lipofectamine® MessengerMAX™ は、様々な幹細胞(Gibco® iPSC、H9 ESC、mESC、hNSC)において、主要なDNA導入試薬や他社mRNA導入試薬に比べてより優れた導入効率を実現。
 
新しいLipofectamine® MessengerMAX™ および従来の他社mRNA導入試薬を用いて、48-ウェルフォーマットで、1ウェルあたり250 ng のGFP mRNA を各細胞株に導入しました。 また、主要なDNA 導入試薬を用いて、1ウェルあたり250 ng のGFP DNA を各細胞に導入し、トランスフェクションから24時間後にGFP発現を観察しました.

図3. Lipofectamine® MessengerMAX™ は、導入が非常に困難な様々な細胞株(bEnd.3、SH-SY5Y、SK-N-SH、A431、RAW 264.7およびHT29)において、主要なDNA導入試薬や他社mRNA導入試薬に比べてより優れた導入効率を実現。
新しいLipofectamine® MessengerMAX™ および従来の他社mRNA導入試薬を用いて、24-ウェルフォーマットで、1ウェルあたり500 ng のGFP mRNA を各細胞株に導入しました。 また、主要なDNA 導入試薬を用いて、1ウェルあたり500 ng のGFP DNA を各細胞株に導入し、トランスフェクションから24時間後にGFP発現を観察しました。


Lipofectamine® MessengerMAX™ による試験を行った細胞

細胞タイプLipofectamine® MessengerMAX™ のトランスフェクション効率 (%)
MDA-MB-231
A431
A549
bEnd.3
BJ線維芽細胞
H9 ESC
初代肝細胞
Hep G2
HT-29
iPSC
初代ケラチノサイト
L929
LNCaP
hNSC
MCF7
Neuro-2a
初代神経細胞
RAW 264.7
RBL
SK-N-SH
SH-SY5Y

トランスフェクション効率 (%): <30%     30–50%    51–79%    >80%

 

ゲノム組み込みのリスクがなく迅速にタンパク質を発現

Lipofectamine® MessengerMAX™ を用いたmRNA導入では、全般的にタンパク質が迅速に発現され、トランスフェクションされた細胞間で発現に非常に高い均一性が認められました。またmRNAの導入では、DNAの核への取り込みステップがないため(ステップ4)、ゲノム組み込みのリスクが排除されており、トランスフェクション効率は細胞周期に影響を受けません。


図4. DNA トランスフェクション vs. mRNA トランスフェクション


mRNA導入を行なうための3つのステップ

1

DNA鋳型の調製

T7プロモーター配列を含むDNA鋳型を調製します。DNA鋳型の調製は、目的遺伝子をGateway® pcDNA™-DEST40 ベクターにクローニングするか、もしくはそのベクターを鋳型にT7プロモーター配列を含むプライマーを用いてPCR増幅するか、いずれかの方法により行います。

2

mRNAの合成

mMESSAGE mMACHINE® T7 ULTRA Transcription Kitを使用して、調製した鋳型DNAから転写によりmRNAを合成します。

3

mRNA の導入

Lipofectamine® MessengerMAX™ トランスフェクションのシンプルなプロトコールに従って、目的のmRNAを導入します。

Lipofectamine® MessengerMAX™ プロトコールのダウンロード

図5. mRNA トランスフェクションのプロトコール


CRISPR mRNAによるゲノム切断効率を数倍向上

Lipofectamine® MessengerMAX™ reagentを用いることで、高効率でのトランスフェクションが可能となり、GeneArt® CRISPR Nuclease mRNA による切断および組み換えの効率が高まります。これにより、CRISPRによる遺伝子改変の効果が最大限に改善され、この後に続くプロセスが簡略化されます。

図6. 12ウェルフォーマットで培養したGibco® iPS 細胞におけるHPRT 遺伝子座を標的とした様々なGeneArt® CRISPR フォーマットの切断効率 Lipofectamine® 3000 reagent を用いてCRISPR nuclease all-in-one plasmid DNAを導入し、Lipofectamine® MessengerMAX™ および2種類の他社mRNA 導入試薬を用いてall-RNA CRISPR format (Cas9 mRNA + IVT gRNA)を導入しました。 トランスフェクションから72時間後、GeneArt® Genomic Cleavage Detection Kit を用いて切断効率を評価しました。

研究目的のみに使用できます。 診断にはご使用になれません。